忍者ブログ
国破れて山河あり。 兵どもが夢の跡。 たこ焼きに例えるならば、 たこの部分なブログです。
[132]  [131]  [130]  [129]  [128]  [127]  [126]  [125]  [124]  [123]  [122
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それは

広島に原爆が投下された日…



戦争の恐怖など

所詮は古い記録に過ぎない

その程度に揺さぶられる若者は

今の世には珍しい存在なのだ



つまりは

“いつもと同じ毎日の一部”でしかなく

つまりは

文化祭の劇の練習がある訳だ



午後一杯を練習に費やし

その後は

予定通り

海へ

花火をする為に



参加者

男女共に8人位ずつ

計16人位だった

よく集まるよな

みんな受験生なのに



んで

その16人のうち

ほとんどは

学校から一緒に徒歩で行ったんだ

40分くらい歩いて



だけど

一部

現地集合の人達がいて

彼らを待たずに

花火を始めてしまうのは申し訳なくて

海を向きながら

コンビニで買ったパンとか食べて

海に向かって走り出す人とかを眺めながら

時を過ごす



やがて全員集まり

花火が始まる



とは言うものの

あんまりはしゃぐつもりは

俺はなくて

むしろ花火に照らされる

みんなのはしゃぐ顔を見ながら

海と夜空と一つになりたい

とか思ってたんだけど

予想以上に早いタイミングで

お前もやれよとか

声かけられちゃって

まぁ手持ち花火を受け取り

砂浜に刺し

曇り空に吹き上がる星と

揺れる海に

見惚れてた



やがて

残るは

線香花火と

設置式の大きめのやつ

の2種類となる



最後は派手に終わろうという事で

まず線香花火に取りかかる



なんかやたらと多い

30本入の袋が

10個くらいある



アホになりそうだったから

数えるのは止めたけど



最初のうちは盛り上がるけど

流石に飽きる



砂浜に寝転ぶ俺

誰か一緒にロマン感じてくれる人

一人くらいはいるかと期待したけど

いないし

砂かけられるし

ちょっとポジショニング

ミスって

波の音遠いし

曇りで星見えないし

格好つかない俺



ようやく線香花火を消化し

いざ

取りのでかいやつ

火を点けるのは

クラスのヒロイン的存在の女の子

「私、危ないコト好きなんだ~」なんて

そんな台詞がアブナイ



点火

火花が華麗に舞い上がる



またちょっと

クサい事考えてしみじみしようか

とか

思ってたら



火が消えた

あっという間だった



もう終わりかよー

そんな叫びがちらほら

あっという間だっただけでなく

締まりがなかった



俺なんて

波打ち際にしゃがみこみ

湾の向こう側の夜景を眺め始める始末



んで隣に

男子来て

背中から声が聞こえる

「えーあれ超ロマンチックー

え?あれ両方男子じゃーん

なんだよー」

俺もがっかりだよ

女子来いよって思ったよ



その後

このどうしようもない雰囲気を

どうにかするべく

浜辺で輪になって座り

語り合おう

なんて流れに



最初

クラスの副委員長格の男子

失恋話



女子に回り

失恋話



その次の男子

失恋話



なんかもう

それしか許されない流れに



しばらくして

俺に回る



失恋話なら

軽い話でいいなら

いくらでもあるんだけど

流れが

センチでロマンチックな

ノンフィクションだったから

だいぶ困った



仕方なく

こんな話をした






小学校2年生の頃

好きだった女の子がクラスにいて

その子は

可愛くて優しくて

当時小二な俺からしてみても

守ってあげたくなる様な子だった

昼休みには

追いかけっこするくらい

仲良しで



(この辺りで女子陣から

「カワイイー」なんて言葉が出る)



まだ“付き合う”なんて概念は

分からなかったけど

“好き”っていうのは

なんとなく分かってた



ところがある日

俺の引っ越しが決まって

離ればなれになってしまう



引っ越し先にも当然

女の子はいたけど

それでも

その子の姿は

俺の中には残ってた



(この辺りで女子陣から「純情ぅー」)



時が過ぎ

高校一年生になって

クラス分けの記されたプリントを見ると

その子の名前が



(「えーすごーい。運命じゃーん。」)



残念ながらクラスは隣で

なかなか

話しかけるタイミングは掴めなかった

けれど

11月頃ようやく

友達の友達みたいな間柄で

話す事ができた



それで

「俺の事覚えてる?」って聞くと

「へ?」

「引っ越す前、同じクラスだったんだよ」

「えーごめーん。

全然覚えてないやー。」

なんて感じになって



所詮俺の運命なんて

こんなもんだったんだなって思って

その子の事は諦めてしまいました






って感じ

恥ずかしながら実話でした



俺にしては

上手い事喋れた

それもあってか

なかなか評判はよかった



他の人達も色々良い話してて

幼なじみがーとか

1週間早ければーとか

ひいじいちゃんがーとか

彼の好きだった音楽がーとか

そんな話をしてくれました



後半の方なんて

女子みんな涙でボロボロ

俺も涙腺危なかった



ウチの高校

浮かれた話少なくて

寂れてるなーとか思ってたけど

実は

それぞれ抱えてきたものはあったんだな

そう思うと

ちょっと久しぶりに

真剣な恋愛をしたくなった

軽い気持ちで尻を追うのは止めようと



まぁそんな事言ってもね

成就した例がないからね

別に期待しちゃいないんだけどね

不純な妄想はよそうと思うんだ



そうして結局

その場にいた全員が

語り終え



みんなセンチになっちゃって

これで帰るってなったら

明日以降死んじゃいそうで

どうにかしようってなって



俺の提案

海に向かって叫ぼうぜ!



却下

それでも案が出ないので

とりあえず

波打ち際まで移動



俺の提案

海に向かって叫ぼうぜ!



却下

それでも叫ばなきゃしょうがないし



円陣を組む事に



そして

僕らは

叫んだ



“文化祭成功させるぞー!”



“おー!”



やわらかい砂の感触

おだやかな波の音色

なつかしい潮の香り

手の届きそうな夜空



感じられるもの全てに

思いをぶつけた

息が続く限り

叫び続けた



途中で

なんで叫んでるのか

よく分からなくなった

それでも叫んだ

とにかく叫びたかったんだ

よく分からなかったなりに



そして

急いで走って逃げた

青さを馬鹿にされたくなかったのと

22時40分頃だったから

補導が怖かったのだ



すぐに荷物をまとめて

そのまま駅に向かった

中身のない会話をしながら

小走りで



明日からもいつも通り接してね

そんな確認ばっかりして



家に着いたのは11時40分くらい

流石に親に怒られた

クラスの文化祭の劇の練習

ずっと公園でしてたって

言っておいた

家に入る前に

スプレーで匂いは消したから

海で花火してた事は

隠し通せたはず



心のクサさまでは

どうしても消えなかったけど
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人だけにコメントする。)
無題
なかなか面白い学園ドラマだな
















で、いつテレビでやってたんだ?
鬱神 2008/08/11(Mon)14:07:03 編集
無題
廃れた場所でも意外に“青春ぽい”コトも有り得るんだな








で、再放送はいつだ?
ふじ 2008/08/11(Mon)17:18:34 編集
無題
全オレが泣いた











で、DVDはレンタルされんのか?
Y 2008/08/12(Tue)13:16:06 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
[07/11 Y]
[07/11 ふじ]
[05/13 K]
[05/12 ふじ]
[04/08 Y]
最新TB
プロフィール
HN:
つみれ
性別:
男性
職業:
学生
自己紹介:
大学生。
ともだちできるかな。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析

Copyright © つみれの落書き帳 All Rights Reserved.
Material & Template by Inori
忍者ブログ [PR]