夜美女

14時過ぎの話だ



近隣の高校生は

終わりを迎えようとするテスト期間を

楽しんでいる

なんだかんだ言って

午前中で学校が終わると言うのは

テスト期間と言えども

非常に開放的な気分になるのだ



それは良いのだ

誰だって条件は同じ

俺だって昨日一昨日は

カラオケ行ったし



…同じ面子だけど

…野郎二人だけど



それは良いのだ

今日の議題はこんな事ではない



俺の定期圏内で

一番栄えてる街ってのは

県庁所在地でもある某街なんだけれども



問題は

駅から５分も歩くと

遊郭地帯に突入してしまうんだな

きっと昔の察の地図には

赤や青の線で書き込みがびっしりだろうな



市民会館の正面にも

おっきな建物がある

多分楽しいホテルか何か



それは良いのだ

今回の問題は

と言うか妄想は

もう少し重たい話



まぁ遊郭地帯と言っても

流石にその手の店しか無い訳ではない

ちゃんとラーメン屋とかあるし

韓国料理屋とかもあるし

潰れてそうだけど映画館があったっぽい

そういう一面もあるのだけど



でもやっぱり遊郭地帯は遊郭地帯

数年後ニート路線の

社会の荷物的ガキである

俺みたいな歳の少年から見れば

場所が場所だけに色んな雰囲気に

敏感に反応してしまう

一言で言えば

「え？怖いじゃん」



そんな地域の一角に

とある化粧品だか装飾品だかの店がある

もっと駅から近い所に

もっと落ち着いた雰囲気の店も

あるだろうに

何でそこを選んだんだろうな



普通に考えるなら

やっぱりその周辺が

彼女の行動範囲だからなのだろう

恐ろしい事だが



女子高生がいたんだよね

その店の中に



なんでそのシーンを目撃できたかって

いや俺もその地帯を

彷徨いてた訳じゃ無いんだぜ

ただパルコバスに乗ってただけなんだ



ホワイトデーシーズンに

パルコに彼女いない野郎一人でってのも

なかなか辛いものがあるが

楽器屋に行ってただけなんだ



まぁ言い訳はこれで良いとして

きっとあの娘は

あの店で今日のアクセントを一つ買って

女子○生多数待機中！

…なんて店に

特に何か特別な事をしているという

そんな自覚も無く入って行って

開店までは仮眠と化粧とメールで

時間を潰して

明日の化粧やらアクセやらを買うために

今頃ベッドの上で

あっふんあっふんあっふんふん！



もう止めようこんな話

明日はテスト最終日だしな

気合い入れなきゃ



ちなみに今日の物理は

紅に染まったこのテスト

慰める奴はもういない

そんな感じ



俺より馬鹿なのか

お前は勉強してたのに



とか言ってみてぇ

この台詞は中学で卒業してしまったらしい

別れが辛い季節だな